フート軍曹であります。長い間作業していると、どっと疲れます。気分転換も兼ねて、飲み物を買いに行くついでにちょっと散歩してきました。「飽きた」「眠い」「疲れた」とゆーのは、実は肉体的でなく脳の疲労から来るものだと聞いてちょっと納得。良い絵が撮れないときはひらめきが足りていないのではなく、単に脳が「ストップ」かけてるだけなのね。あまり根詰めてもアレですので、今日はこれくらいにしておきましょう。あっという間の連休でしたが、それなりに楽しめました。
さて、贔屓のお店に新しい武器が入荷したので、さっそく仕入れてきました。取り敢えず倉庫に運んでおこうと思ったら、最近雇ったばかりの新人メイドさんが、なにやら興味津々でして。ちょっと触ってみる?と訊いたらまんざらでもなく。
「グレートソードと呼ばれる類の両刃剣ですね。ここまでくると、正しくは剣というよりは鉄の塊かしら。ま、実際に中世の戦いでは『斬る』のではなく、『叩く』『突く』が主流ですものね。多少の刃こぼれは気にしなくて結構。無骨ながらもデザインは悪くない。ちょっと重いのが難点かな(ぶんぶんと振り回しながら)」
「盾は苦手です。守りに入るのはわたしの性に合わない。…ええと、材質は硬め、と。…え?硬いのは当たり前?敢えて盾に敵の刃を食い込ませる手もありましてよ、マスター?(怖い微笑)さて、端の窪みは何かしら?この隙間からランスを突き入れるのかな。ちょっと解りません。たぶん、わたしのような使い方は間違っているのでしょうね」
「グレイブなら前に扱ったことがあります。いわゆる『ポールウェポン』はわたしの得意なジャンルでもあるけれど、このグレイブは他の槍とは少し趣向が変わってきますわ。...ほら、装飾が見事でしょう?儀礼用だったのかも知れませんね。血と泥に塗れるよりも、静かに飾られている方が似合いそう…(遠い目)」
「…まさに『戦斧』と呼ぶべきかしら(熱い溜息)。木こりの片手斧とは格が違うわね。素晴らしいわ。ちなみにマスター、これおいくらしたのかしら?…やっぱり(呆れた溜息)。掘り出し物ですわよ。それも『マジックウェポン』。…見て?この青い宝石、『軽量化』の魔法が込められているの。だから女のわたしでも振り回せるわけ。試しに持ってごらんなさいな。...え?持ち上がらない?え?ええっ!?(涙目)」
「こちらは一転して、ありふれたグラディウスね。刃渡りが短いでしょう?他の剣よりだいぶ軽いわ。でも丈夫に出来ている。それと、柄になめした獣の革を巻いて、手を滑りにくくしているの。取り回しの良さを求めた結果ね。...何度も、何度もこれ一本で戦うがために(虚ろな眼差し)。...懐かしい。闘技場の歓声がまだ耳に残っているわ。事切れた相手の最後の吐息も。(ハッとしたように顔を上げ)…そんな顔は止めて頂戴。わたしはもう、身も心も貴方の物よ」
「不敗の剣闘姫」。かつて、そう呼ばれた剣奴がいた。とうの昔に己を買い取れるだけの賞金を稼ぎながら、頑なに闘技場を出ることを拒んだ女。その戦いは鬼神の如く、息をするように相手を屠る。そんな彼女を民衆は畏れ、そして陶酔した。だが、ある日突然と「不敗の剣闘姫」は消えた。彼女の行方を知る者はいない。
…なんてね(笑)。